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一歩一歩着実に、そして確実に進んでいきたい。

日弁連会長選挙

先日の日弁連会長選挙は、宇都宮弁護士が山本弁護士を抑えての勝利。
まぁ、正式な発表は来週なんだけど、99.99%以上の確率で決まり。もうNHKには宇都宮弁護士が出演した、って話だし。

それにしても、マスコミ各社の反論がすごいこと、すごいこと。
司法試験合格者を減らしたらダメよ、ってところだけであるけども。
(朝日・読売・毎日・日経の社説をネットで読んだんだけど、面倒なのでリンクは貼らない。)

正直に言って、合格者を増やす≒弁護士を増やすことに、どれだけの意味があるのか分からない。
(ちなみに、裁判官と検察官は、そこまで増えていないし、今のところ見込みも薄い。)

弁護士が増えると競争が起こるようになるから、質が良くて低価格で法的サービスを受けられるようになる…というのが主たる論旨のようなんだけど、これって本当にそうなるのかな。
低価格で事件を受けるということは、ハッキリ言って、それだけ手抜きをせざるを得ない。

報酬額が減ったら、事件を数多く受けないとやっていけないんだから、その分、1つ1つの事件にかける時間を削らざるを得ない。
しかも、弁護士が受け取る報酬の中には、事務員さんの給料だとか、事務所の賃貸料だとか、コピー機のリース料なんかも入っているので、例えば報酬額が半分になった、3倍くらいの事件を受けないとやっていけない。
事件の数が多くなってきたら、「もしかしたらこんなことも…」なんて疑問を持ったとしても、そんなとこはとりあえず無視して裁判に臨んだり、話をまとめたりしないと、経費をペイできない事態にもなりかねない。場合によっては、弁護士じゃない誰か、ほとんどの場合は事務員さんに任せて、ついついそれっきりにしてしまうことも増えるかもしれない。

競争が激しくなって高品質低価格になる部分はあるだろうけれど、その分、削ってはいけないところで時間が削られてしまうことにもなりかねないんじゃないだろうか。
物を作る仕事や、一定のサービスを提供する仕事ならば、一定以上の品質を維持するために、法的規制を行うことがあり得るだろうけれど、弁護士がやる仕事に、一定のラインを設けて規制をかけることなんか、およそ不可能(と思われる。全部が全部とは言わないけど。)。
ましてや、弁護士がやる仕事って、後から補修したりやり直したりすることが不可能なものが多い。裁判は、歩みこそゆっくりしているけれど、その分、一歩一歩が着実なものになり、既判力という形で、紛争を確実に終結させる。後で補修したり、もう一度やり直す、なんていうことは、まず不可能。
考えてみても、競争が激しくなることの弊害しか生まないような気がする。

それに、競争が激しくなると、質の高いサービスを受けようと思ったときに、その分の費用が必要になってくる。質の高いサービスを提供できる人の時間には限りがあるんだから当然。
そうすると、本当に救済が必要な人ほど救済されないケースは、今より増えるんじゃないのかね。
結局、競争が激しくなって助かるのは、大きな会社だとか、行政(国、省庁、自治体)だとか、そういった人達だけのように思うけど。

どこか、おかしいかな。
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プロフィール

author:弁護士 稲毛正弘

群馬弁護士会所属
法律事務所フラットにて執務中
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最近、よく年齢を聞かれます。
身体を動かすことは好きです。

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