法曹一元にはなっていない日本では、司法修習の期間が、将来自分がその道に進まない法曹の業務を目の当たりにすることのできる唯一の機会。
この司法修習の期間をより有意義なものにするため、司法修習生には、一定額の給料が出てる。
将来の司法を担っていくのだから、少なくとも司法修習の期間ぐらいは、勉強だけに専念しなければならん、ってことで、修習専念義務とセットになってるもの。
(アルバイト禁止はもちろん、お金をもらわなくても、どこかで講義やら講演に行ったりだとかも禁止。)
「司法修習生―国民が納得できる支援を」朝日新聞2010年8月29日付け社説2朝日新聞、そこまで嫌いじゃないんだけどなぁ。
こんな意見を書くところなんだ、ってのがちょっと残念です。
記事の概略からすると、司法修習生の将来がどうなるか分からないんだから、その養成に金をかけるのはおかしい、ということですかね。
そりゃあまぁ、金儲けに走る弁護士もいるだろうし、誰かれ構わず刑を重くすることしか考えない検事もいるだろうし、適当なことしかしない判事もいるだろうけれども。
それでもなぁ。
ここまで法曹に対する信頼だとか、信用だとかが失われているとは思わなかった。
少数者の権利保護や、社会的弱者減少のために頑張ってる弁護士だっているし、社会正義実現の為に努力している検事もいるし、個々の事案を真剣に検討して判断してる判事もいて、そういう人の方が遥かに多いと思うんだけどなぁ。
司法は国家の最後の砦。
少しでも、日本という国を良くできればいい。
そう思ってこの世界に飛び込んだんだけどなぁ。
司法って、あんまり重要だと思われてないんだろうか。
自分が弁護士を目指していたからか、数年前までは、「将来は弁護士になりたいんだけどどんな進路に進んだらいいのか。」なんて質問をよく受けてた。けど今は、「弁護士になりたいと思ってたけどどうなるか分からないから他の道にした。」なんて声の方が多くなってしまった。
司法修習生への給費制すらなくしたら、将来の司法の担い手はどうなるんだろう。